【景品表示法コラム】健康食品サプリメント:ダイエット訴求の摘発事例
投稿日:
2021.12.14
更新日:
2021.12.14
ドクターシーラボのグループ会社である株式会社シーズ・ラボに対して、消費者庁は景品表示法違反として措置命令を下しています。
では、具体的に、どのような違反であったのか、
事前に改善ポイントはなかったのか、解説して参ります。
以下、消費者庁 報道資料より 抜粋引用
『消費者庁は、令和3年11月24日、株式会社シーズ・ラボに対し、同社が供給する「4D」と称する食品に係る表示について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。
表示内容
「『痩せたいけれど我慢したくない!』あなたのために! クリニカルサロン 『シーズ・ラボ』独自開発」、「食事の気になるカロリーを速攻カット!!」、「脂っこい料理 甘~いスイーツ 食べ過ぎてもなかったことに!」、「糖質カット 脂質カット 脂肪燃焼 お通じすっきり」及び「フォーディー 4D ダイエットサプリ」との記載と共に、複数の料理とスイーツの画像を背景にフォークとナイフを手にして口を開いた人物の画像、本件商品及び本件商品の容器包装の画像等と、別表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、本件商品を摂取すれば、本件商品に含まれる成分の作用により、食事から摂取したカロリーの吸収が直ちに著しく阻害されることによって、体重増加が阻止される効果が得られるかのように示す表示をしていた。
実際
前記アの表示について、消費者庁は、景品表示法第7条第2項の規定に基づき、シーズ・ラボに対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出された。しかし、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。』
具体的な広告表現はこちら↓↓
「ダイエットサプリ『4D(フォーディー)』」及び「シーズ・ラボから、食べ過ぎによる体重増加をブロックしてくれる待望のダイエットサプリ『4D(フォーディー)』が登場。『脂質』・『糖分』をカットし、さらに『脂肪燃焼』・『お通じ改善』をサポート!食事のカロリーを速攻カットしてくれます。」との記載
弊社からの見解
- 薬機法の観点より
ダイエット訴求をする場合、合法的な表現は2つ
1:1日の総カロリーを調整できる、置き換え食品の提案。1食置き換えなどをすることにより、総カロリー摂取が減り、物理的に減量へとつながる表現。
2:運動や適切な運動が前提となり、運動によるカロリー商品を行いながら補助サプリとして摂取する訴求表現。*サプリメント全般、ダイエット訴求をする場合、この2の方向性で表現を行う必要があります。
一方で摘発される違反表現の代表例として・・・
サプリメントを飲むだけで痩せられる。
サプリメントを飲むだけで体内の糖質や脂質などをカット、脂肪燃焼が増えるなど、体内での作用を効果保証する表現。
これらは医薬品的暗示、効果保証として薬機法違反となります。
- 景品表示法の観点より
『当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出された。しかし、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。』
上記の消費者庁の見解より、合理的根拠を示す基準の資料になっていなかったと容易に推測ができます。合理的根拠資料の作成方法やフォーマットは存在せず、各企業にその根拠資料の準備責任がございます。
合理的根拠資料の準備方法については、過去のコラムを参考にください。
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合理的根拠資料 参考コラムはこちら https://aksk-marketing.jp/archive/638/
改めて、消費者庁としては、薬機法違反の表現が確定していることで、容易に調査対象になったであろうこと。そして、社会的地位、東京証券取引所市場第1部上場廃止をしているとはいえ知名度の高いグループ会社への指導は、社会的な影響力がある一手であろうことが推測されます。
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