機能性表示食品はなぜ「量から質」へ? 2024〜2026年の届出トレンドと今後
投稿日:
2026.04.21
更新日:
2026.08.11
🎯 この記事のポイント
機能性表示食品制度は2015年の開始以降、届出数の増加とともに市場を拡大してきました。しかし2024〜2026年にかけては、単なる件数の増減にとどまらず「量から質」への転換が鮮明になっています。テーマの集中、機能のコモディティ化、エビデンスの高度化、OEM活用による競争軸の移行——この3年間の構造的変化を制度面・市場面の双方から整理し、今後求められる製品設計の方向性を考えます。
2024年|テーマの集中と複合機能化
2024年は、拡大基調を維持しながらもテーマの集中がより明確になった年でした。腸内環境、睡眠、ストレス、血糖・脂質対策といった主要領域に届出が集まり、市場は一定の構造化が進みました。
同時に、単一機能では差別化が難しくなり、複合機能やターゲット別設計が一般化していきました。「1つの機能を訴求すれば売れる」時代からの移行が始まった段階といえます。
2025年|競争の質が高まる
2025年は、競争の質がさらに高まった段階です。類似製品の飽和により、単なる機能訴求ではなく、エビデンスの質や表示内容の適切性がより重要視されるようになりました。
届出をすること自体よりも、その中身の説得力が問われる——市場がそうした成熟の入口に立った年でした。
2026年|成熟期へ|「届出の価値」の相対的低下
そして2026年は、制度が成熟期に入りつつある段階と考えられます。単に届出を行うこと自体の価値は、相対的に低下しています。その一方で、継続的に販売される商品、市場で支持される製品の重要性が増しています。
認知機能、フレイル対策、女性の健康など、新たな需要領域も見られます。ただし、いずれも既存市場と同様に、高いエビデンスと明確な価値設計が求められています。
この3年で確認できる3つの構造的変化
①科学的根拠の高度化
制度上は柔軟な届出が可能である一方、競争環境の中でより質の高いデータが求められるようになっています。
②機能のコモディティ化
機能のコモディティ化が進み、特定成分に依存した差別化が難しくなっています。
③リスク管理と競争軸の移行
表示や広告に関するリスク管理の重要性が高まり、制度外の法規制との整合性も重視されています。また、OEMを活用した製品の増加により、最終的な競争軸がブランドや販売戦略へ移行している点も特徴的です。
✅ これからの機能性表示食品に求められる視点
- 届出件数ではなく、科学的妥当性で勝負できているか
- 特定成分頼みでなく、製品の独自性・価値設計があるか
- 単一機能でなく、複合機能・ターゲット別設計を検討したか
- 表示・広告が、制度外の法規制(景表法・薬機法)と整合しているか
- OEM活用時、ブランド・販売戦略で差別化できているか
よくあるご質問(FAQ)
Q. とりあえず届出をすれば、売上につながりますか?
届出すること自体の価値は相対的に低下しています。継続的に支持される製品には、高いエビデンスと明確な価値設計が求められており、届出は出発点に過ぎません。
Q. 特定の話題成分を使えば差別化できますか?
機能のコモディティ化が進み、特定成分だけでの差別化は難しくなっています。複合機能・ターゲット別設計や、ブランド・販売戦略まで含めた設計が重要です。
Q. 制度に沿っていれば、広告表現は自由ですか?
いいえ。届出の範囲内であっても、景品表示法・薬機法など制度外の法規制との整合が必要です。表示・広告のリスク管理は、これまで以上に重要になっています。
まとめ|「量」ではなく「質」で選ばれる時代へ
今後は、届出件数の多寡ではなく、科学的妥当性、製品の独自性、そして消費者への適切な情報提供が、より一層重要になると考えられます。以前から語られてきたことではありますが、市場の成熟によって、それが「理想」ではなく「必須条件」になりつつあるのが、この3年間の本質的な変化です。届出の先にある「選ばれ続ける製品づくり」を、制度・エビデンス・広告表現の三方向から設計していくことが求められています。
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