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【第3回デジタル取引・特定商取引法等検討会】(3月16日資料より)

~前段:第2回検討会(2月17日)のおさらい~デジタル取引時代における特定商取引法の見直し動向

―企業が押さえるべき現状と論点整理―


第2回検討会では、デジタル取引における現行特定商取引法の課題が、より具体的に整理。特に焦点となったのは、通信販売における「広告規制中心」の枠組みが、SNSやチャットを通じた勧誘型取引に十分対応できていない点です。現行法は、消費者が自ら申し込む構造を前提としているため、不意打ち的に接触し意思決定に影響を与えるチャット勧誘などは、電話勧誘販売と同様の実態を持ちながらも、規制が及びにくい状況にあります。

また、SNS関連の相談件数が大幅に増加していることや、チャット経由の購入に対する後悔の割合が高いことなどから、心理的誘導や情報の非対称性が新たな課題として認識されました。こうした背景を踏まえ、検討会では、広告と勧誘の区別に依存しない新たな整理や、「不意打ち性」「誘引性」「複雑性」が高い取引に対する規制強化の必要性が論点として提示されました。


第3回検討会では、デジタル取引において消費者の意思形成を歪める手法への対応と、広告から解約に至るまでの一連の取引プロセスを一体として捉える必要性があると提言されています。

従来の特定商取引法は主に広告表示を対象とした規制体系であり、消費者が自発的に申し込むことを前提としています。しかし、現在のデジタル取引では、広告・勧誘・契約・解約がシームレスにつながっており、その過程で消費者の判断が多様な形で影響を受けています。このため、検討会では取引全体の流れを通じて問題を把握し、個別の場面ではなくプロセス全体でのルール策定が必要とされています。


議論の柱としては、主に四つの論点が整理されています。

第一に、規制対象の範囲。従来の販売事業者だけでなく、プラットフォーム事業者など多様な関係者が関与するデジタル取引において、どこまでを対象とするかを検討。

第二に、誤認を招く表示や強い誘導を伴う広告・勧誘への対応。

第三に、消費者の意思形成を歪める手法への対応。不明瞭な条件表示、執拗な勧誘、アップセルなどが具体例として挙げられています。

第四に、プラットフォームの役割であり、不当表示への関与やトラブル時の対応体制などについて整理。


また、規制の考え方として「二層構造」が示された点も重要です。インターネット取引全体に共通する基本的なルールと、不意打ち性・誘引性・複雑性が高い取引に対する強い規制とを分けて整理する考え方です。これにより、過度な規制によって通常の取引を阻害することを避けつつ、問題のある取引類型に重点的に対応する方向性が示されています。

さらに、第3回では具体的に問題視される手法として、定期購入であることを分かりにくくする表示、解約手続を困難にする設計、消費者を特定の選択に誘導するボタン配置、契約直前で重要条件を提示する手法などが挙げられました。これらは従来の「表示内容」だけでなく、「ユーザーインターフェース」や「導線設計」そのものが規制対象となり得る点を示しています。


全体として、第3回検討会は、従来の広告規制中心の枠組みから一歩進み、消費者の意思決定プロセス全体を対象とする方向性を明確にしたものと位置付けられます。今後は、この整理を踏まえた具体的な制度設計が検討されていく段階にあるといえます。


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