「ネットのシャッター街化」が始まる中で、事業者が考えるべきこと
投稿日:
2026.04.11
更新日:
2026.04.11
かつて地方商店街では、「仕入れた商品に利益を乗せて販売する」というシンプルなビジネスモデルが主流でした。昭和から平成にかけて、この形は一定の合理性を持っていましたが、人口減少や消費行動の変化、そして大型商業施設やECの台頭により、次第に顧客は離れ、いわゆる“シャッター街化”が進行しています。
この現象は、現在のインターネット上でも起き始めています。
これまでECプラットフォームやオンラインサービスは、「地理的制約を超えて販売できる」という強みを背景に急成長してきました。しかし近年、円安による仕入れ価格の上昇、原材料費の高騰、さらには配送コストの増加といった外部環境の変化により、従来型の“仕入れて売るだけ”のビジネスモデルは徐々に収益性を失いつつあります。
加えて、価格比較が容易なネット環境では、差別化が難しい商品はすぐに競争に巻き込まれ、結果として利益率の低下や集客の鈍化を招きます。これは、かつての商店街で起きた「どこで買っても同じ」という状況と本質的に変わりません。つまり今、ネット上でも“シャッター街化”の兆しが見え始めていると言えるでしょう。
では、こうした環境の中で生き残る事業者は、どのような特徴を持っているのでしょうか。
地方でも長く続いている店舗には共通点があります。それは、「その店で買う理由」が明確であることです。単に商品を販売するだけでなく、専門性の高さ、店主の知識や提案力、独自の仕入れルート、あるいは人との関係性といった、他では代替できない価値を提供しています。
インターネットにおいても同様です。これからの時代に求められるのは、「何を売るか」以上に「なぜ自社から買うのか」を明確にすることです。例えば、商品の背景や使い方まで含めた情報提供、購入後の体験設計、専門的なサポート体制などは、単なる価格競争から抜け出すための重要な要素となります。
また、コンテンツや発信を通じて信頼を積み上げることも、不可欠な取り組みです。顧客が「この人から買いたい」と感じる状態をつくることは、短期的な売上以上に長期的な事業基盤を支える力になります。
ネットの成長期が一巡した今、事業者には新たな視点が求められています。過去の商店街の衰退から学ぶべきことは多くあります。そしてその本質は、「付加価値のないビジネスは続かない」という極めてシンプルな事実です。
いま一度、自社にしか提供できない価値は何かを見つめ直すこと。それこそが、“ネットのシャッター街化”を乗り越えるための第一歩になる筈です。
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