【景品表示法コラム】2025年においても、機能性表示食品の広告表示に関する違反事例が継続して報告されています
投稿日:
2025.06.06
更新日:
2025.06.06
2025年においても、機能性表示食品の広告表示に関する違反事例が継続して報告されています。これは、消費者庁が、ステルスマーケティング規制と合わせて、広告表現の適正化に向けた取り締まりを強化していることを示しています。本コラムでは、機能性表示食品の広告表示における注意点とポイントを整理し、事業者が遵守すべき事項を解説します。
また、摘発をきっかけに、弊社のような第三者アドバイザー機関へ相談をする件数も増えてきております。
1. 届出内容を超える広告表現の禁止
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠(合理的な根拠資料)に基づいて消費者庁に届出を行い、その内容に基づいて機能性を表示する制度です。広告やパッケージにおいては、届出内容を逸脱した表現を行うことは認められていません。例えば、届出された機能性が「肥満気味の方の内臓脂肪を減らすのを助ける」であるにもかかわらず、広告で「誰でも簡単に痩せる」「手軽にダイエットできる」といった表現を使用すると、景品表示法違反となる可能性があります。
2. 特定保健用食品と誤認させる表示の禁止
機能性表示食品は、特定保健用食品(トクホ)とは異なり、国の個別審査や許可を受けていません。そのため、商品名やパッケージデザイン、キャッチコピーなどでトクホと誤認されるような表示を行うことは避ける必要があります。例えば、トクホ商品と同じシリーズ名を使用したり、類似のデザインを採用することで、消費者に誤解を与える可能性があります。また、他の一般加工食品と合わせて販売することで、商品カテゴリーが違うのに誤認させてしまう事例も散見されます。
3. 国の承認を受けたと誤認させる表現の禁止
機能性表示食品は、消費者庁による承認や許可を受けたものではなく、あくまで事業者の責任で届出を行い、表示するものです。「消費者庁承認」「○○省推薦」など、国や公的機関が承認したと誤認させる表現は使用できません。
4. 科学的根拠の合理性の確保
機能性表示食品の表示には、科学的根拠(合理的根拠仕様)が必要です。しかし、届出された科学的根拠が合理性を欠いている場合、景品表示法上の問題となる可能性があります。事業者は、届出時に使用する研究論文や試験結果が、適切な方法で実施され、信頼性の高いものであることを確認する必要があります。
5. 医師や専門家の表記注意点
医師や専門家の推奨を広告に使用する場合、その内容が届出された機能性の範囲を逸脱していないか注意が必要です。また、実際に推奨を受けていないにもかかわらず、推奨されたかのように表示することや、専門家の肩書を誇張することは、景品表示法違反となる可能性があります。
また、薬機法の観点からもガイドラインが出ていますので、調べてみましょう。
6. 体験談の使用に関する注意点
消費者の体験談を広告に使用する場合、以下の点に注意が必要です:
– 架空の体験談を使用しない。
– 都合の良い体験談のみを掲載しない。
– 事業者が依頼して得た体験談を、一般の利用者の意見のように表示しない。
また、「個人の感想です」といった打消し表示を行っても、打消しとして意味がない。と打消し表示ガイドラインに既に掲載されています。表現の最大値、平均値、どちらを使うべき?
合わせて、ステルスマーケティング規制のガイドラインも丁寧に読込み、違反にならないように広告表現を調整していく必要があります。
まとめ
機能性表示食品の広告表示においては、届出内容を正確に反映し、消費者に誤解を与えないよう注意することが求められます。事業者は、最新の法令やガイドラインを確認し、適切な表示・広告を行うことで、消費者の信頼を得るとともに、法令遵守を徹底することが重要です。
まずは、ガイドラインや手引き書など、消費者庁の公式ウェブサイトで詳しく参照できます。
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